海洋環境創生機構
2015.04 Spring 【Next.2015.06 Summer】

2015年4月巻頭言 : 藻類バイオマスの利活用に関する調査・研究の課題

理事 持田 勲

藻類バイオマスエネルギーについては、石油資源の枯渇化、食糧問題及び藻類の高生産性等の理由から1990年代より急速に研究が進められ、わが国でもニューサンシャイン計画の研究開発プロジェクトに取りあげられた「細菌・藻類等利用二酸化炭素固定化・有効利用技術研究開発」において、二酸化炭素固定化、藻類バイオマスの有効利用等の研究が行われたが実用化には至らなかった。藻類バイオマスの生産は、増殖速度、培養面積・容量及び培養時間のほか、培養のための温度、光、栄養塩等の条件を整える必要があるが、これら条件を定常に保ち、かつ経済的にも満足のいく生産量を得ることは容易なことではない。藻類バイオマスの利活用にあたっては、エネルギー資源としてのみではなく、藻類の市場有用性の新たな開発や他の社会システムとの融合を図っていく必要があろう。
このような観点から、これまでの成果を踏まえ、今後着目すべき藻類バイオマスの調査・研究の一つとして次のテーマをあげてみた。

.... 続きを読む

主に熱帯域において

  • 藻類の散布による低品位石炭(東南アジア産の褐炭など)の自然発火防止と混焼システム
  • 藻皮膜炭の物性、燃焼性及びそのモデリング
  • 気候的に有利である点を活かした藻類の生産システムの開発、環境影響調査及び地域振興
  • 藻類による二酸化炭素固定化と二国間クレジットの評価

また、環境保全の観点から

  • 社会的ニーズのある海域のアオサ、淡水域のアオコなどの回収による環境改善と藻類バイオマスのカスケード利用技術の開発

藻類バイオマスの工学的研究に関しては、話題性が先行して実現性に疑問があるものも少なくない。コントロールが難しい藻類の光合成機能を利用し、その有効利用を経済的にも成立させるためには、藻類利活用の様々な要素を結合した全体システムの調査・研究に対して限られた資金と労力を集中させていくことが重要である。

>折りたたむ

最新情報

2014.11.22 更新
【MECニュース】(株)技術情報協会発行の書籍「10年後の市場・技術予測とそこから読み解く必然の研究開発テーマ」に最上専務理事執筆の論文が掲載されました。
2014.11.22 更新
【MECニュース】「平成26年度 海洋環境創生機構 講演会」を開催しました。
2014.07.25 更新
【MECニュース】『Marine Wiki』が、「会員専用ページ」に組み込まれました。
2014.07.25 更新
【MECニュース】「平成26年度 海洋環境創生機構 講演会」を11月14日(金)午後に開催します。《予告》
2014.07.25 更新
【MECニュース】『大型藻類(アカモク)の多角的利用を目的とした事業モデルの可能性検討』が終了しました。
入会案内